情報通新技術(ICT)とアジアの女性運動 - メモ
こんにちは。私はアジア女性資料センターの事務局長をしている友政真知子です。アジア女性資料センターは、1977年以来の”アジアの女たちの会”の20年近い活動を引きついで、1995年4月に設立されました。
現在会員は海外も含めて900人以上います。私たちの望むオルタナティブな21世紀の実現のために、女性、エコロジー(自然)、アジア(南)の立場から、草の根と地球的視点で考え活動しています。センターをサポートしてくれる方々のおかげでコンピュータを使いながら少ないスタッフで仕事をしています。
今日はfem-netとVAWW-NET、Isis AWORCの3つの経験を通して、草の根の女性運動と電子ネットワークについて皆さんにお話ししたいと思います。
私たち日本の草の根の活動をしている女性たちは、北京世界女性会議の時に、日本の市民運動の電子ネットワーク作りをめざしていたJCAの助けを借りて、世界の市民運動の電子ネットワークであるAPCから、事前に行動綱領草案を入手し、自分たちで翻訳して、それをもとに日本の女たちの提言をまとめることができました。それまでは会議の前に入手することはできなかったので、これは画期的なことでした。
私はこの経験から、北京会議後に日本の女性運動のための電子ネットワークを創りたいと考えました。しかし、何人かで話してみると、女性運動をしている人はコンピュータを使えない、または持っていない人がほとんどでした。
幸いその時JCA-NETを作る動きがあって、その人たちの助けをかりてコンピュータ教室を開きながら、fem-netを立ち上げていきました。
fem-netには現在90人以上の人が参加しています。オランダやアメリカにいる日本人女性も参加しています。1年近くfem-netを続けてきて、現在さらに内容を充実させようとリニューアルをしているところです。
私自身もfem-netを運営しながらメーリングリストや電子会議室のことなどを学んできました。fem-net自体、やりながら育ててきています。JCA-NETの方々の助けがなければできませんでした。
もう一つはVAWW-NETです。
昨年11月、日本でアセントと共に"Violence Against Women in War and Armdconflict Situation"国際会議を開きました。
世界中から50人ものこのテーマの専門家の女性が集まって、各国地域における実際のケースを出し合い、それに対する取組みを話し合い、東京宣言をまとめました。特にアジアのケースを出せた事は意義があったと思います。
この会議で戦争と女性への暴力に取り組むネットワークを作ることになり、同時にメーリングリストを立ち上げて、情報、意見交換をしていくことになりました。運動を進めていく上で非常に役立っています。このメーリングリストはAPC Women VAWにリンクされていて、世界中の女性からアクセスがあります。
私たち東アジア女性が望む21世紀には、オルタナティブのビジョンと生き方が求められています。経済のグローバル化に対抗する女性たちの共生と連帯のグローバル化が、今こそ必要です。
草の根レベルで女性たちの運動の世界的な、とりわけアジアのネットワークをどう創っていくか。
各女性資料センターに求められている課題は多いと思います。ネットワークの有効な道具として草の根の多くの女性たちと共有できる電子ネットワークを作っていきたいものだと思います。
この exchange がそのスタートとなることを願ってやみません。
ありがとうございました。
マラミン サラマ
友政眞知子(ともまさまちこ)
アジア女性資料センター事務局長
AWORC search demo -- Index information
Unique ID : jcanetaworc980721a_ja Subject : Physical type : Language : ja Title : アジアの女性運動関係者の電子ネットワークの立ち上げ ─ fem-net と vaww-net の場合 Author, organization : 友政眞知子(ともまさまちこ), アジア女性資料センター Date of publication : 1998.04.22 Geographical coverage : 日本, アジア Keyword : Online location : http://www.jca.ax.apc.org/aworc/ict/notes/ajwrc9807ja.html